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プロフィール

武部 隆 TAKASHI TAKEBE 
1947年大阪府生まれ
1971.3 京都大学農学部農林経済学科卒業
1975.8 京都大学大学院農学研究科博士課程中退
1975.8-1984.6 京都大学農学部助手
1984.7-1988.6 京都府立大学農学部助教授
1988.7-2001.12 京都大学農学部助教授
2002.1- 京都大学大学院農学研究科教授
2002.4- 京都大学大学院地球環境学堂教授(農学研究科教授と両任)
京都大学農学博士
所属学会:環境経済・政策学会,日本農業経済学会,地理情報システム学会,日本農業法学会,地域農業経営戦略研究会,日本農業経営学会

研究1:農業担い手問題に関する研究

農業担い手問題には,担い手概念の問題,集団的生産組織や農業サービス事業体の位置づけの問題,法人化の問題,それに経営発展の問題の四つの主要な問題が存在するという認識のもと,土地利用型農業における担い手の現在と将来に関して,経済学的・制度論的な立場から研究を行っています。ここで,労働力出資の小労働力利用経営である協業経営と土地結合型の集団的生産組織である地域営農集団にとくに注目し,このような地域営農集団の形成と展開が,将来的な土地利用型農業の担い手の創出に有益となるであろうという考えを重要視しています。このような方向での研究は,『土地利用型農業の経営学』(1993年9月,御茶の水書房),および『地域農業マネジメントの革新と戦略手法』(共編著,2007年1月,農林統計協会)として体系化していますが,それらも含めて,その他に以下の諸研究をあげることができます。

  • 武部 隆(1974):地域システムのSD手法によるシミュレーション,農林業問題研究,第10巻第3・4合併号,37-46
  • 武部 隆(1977):農業経営と資源配分―生産経済学的接近―,農業経営学序論―対象と方法―(吉田 忠編著,同文舘),143-172
  • 武部 隆(1980):農業経営と経営管理,現代日本の農業経営(上村・山内共編,富民協会), 126-141
  • 武部 隆(1981):大槻農業経営学における沈下固定概念の検討,農業計算学研究,第14号,53-61
  • 武部 隆(1982):農業経営分析と統計利用,利用者のための農業統計入門(吉田忠編著,農業開発研修センター),40-60
  • 武部 隆(1983):大槻農業経営学における主体均衡論的思考の検討,農業経営研究,第21巻第2号,27-34
  • 武部 隆(1985):家族経営の規模拡大は可能か,農業と経済,第51巻第9号,13-19
  • 武部 隆(1988):日本農業の構造変化と農業問題の今日的状況,農業政策の課題と方向(藤谷築次編,家の光協会),33-60
  • 武部 隆(1988):農業構造政策の課題と展開方向,農業政策の課題と方向(藤谷築次編,家の光協会),301-320
  • 武部 隆(1990):水田作経営の経営分析,現代農業経営分析論(亀谷きよし編著,富民協会),133-150
  • 武部 隆(1990):農業経営組織の構造的側面をめぐる諸問題,農林業問題研究,第26巻第3号,23-33
  • 武部 隆(1992):株式会社は農業の担い手たりうるか,農業と経済,第58巻第10号,21-28
  • 武部 隆(1992):農業経営制度政策の新展開と農地制度,農業経済研究,第64巻第2号,64-73
  • 武部 隆(1992):わが国農業経営制度政策の展開と当面の課題,農業計算学研究,第25号,29-37
  • 武部 隆(1992):農業構造政策の課題と展望,国際化時代の農業経済学(頼 平編,富民協会),66-81
  • 武部 隆(1993):土地利用型農業と公社経営,農村研究,第77号,13-21
  • 武部 隆(1993):産地論,農業経営研究の課題と方向―日本農業の現段階における再検討―(長 憲次編,日本経済評論社),246-262
  • 武部 隆(1993):担い手政策の展開と当面の課題,農業計算学研究,第26号,57-66
  • 武部 隆(1993):土地利用型農業の経営学,御茶の水書房,1-237
  • 武部 隆(1994):土地利用型農業における望ましい担い手政策展開の方向,農業計算学研究,第27号,47-60
  • 武部 隆(1998):農業経営発展の論理と戦略的課題,日本農業の現代的課題(藤谷築次編,家の光協会),7-19
  • 武部 隆(1999):農業担い手政策の展開過程と現状の問題点,京都産業大学・国土利用開発研究所紀要,第20号,79-99
  • 武部 隆(2002):地域営農の現状と将来方向―篠山地区を対象に,京都大学生物資源経済研究,第8号,185-198
  • 武部 隆・吉野 章(2003):農業組織の多様性と安定性―地域営農集団の契約理論的理解―,日本農業経済学会論文集,157-159
  • 武部 隆(2006):農業とGIS,地域農業経営戦略研究会・地域農業マネジメント,第3号,1-4
  • 武部 隆(2007):地域農業の経営戦略と戦略的諸手法,地域農業マネジメントの革新と戦略手法(-武部 隆・高橋正郎編,農林統計協会),36-46
  • 武部 隆・高橋正郎編(2007):地域農業マネジメントの革新と戦略手法,農林統計協会 実証という観点からは,対象地域を変えて地域農業の実態調査に取り組み,農業担い手問題における上記四つの主要な担い手問題を対象に,着実に調査研究を続けています。
  • 武部 隆(1983):水田転作における飼料作の定着条件に関する研究,昭和57年度科学研究費補助金研究成果報告書(第2章執筆,28-49)
  • 武部 隆(1992):農業経営の企業形態に関する理論的・実証的研究,平成2・3年度科学研究費補助金(一般研究B)研究成果報告書(第1章・第3章第3節・第4章執筆,9-29,88-105,107-122)
  • 武部 隆(1993):農業経営の法人化に関する理論的・実証的研究,平成4年度科学研究費補助金(一般研究B)研究成果報告書(第1章~第7章執筆,1-104)
  • 武部 隆(1995):日本農業の担い手の将来像に関する総合的研究,平成6年度科学研究費補助金(総合研究A)研究成果報告書(第1章執筆,5-43)
  • 武部 隆(1998):平成9年度地域農業経営改善調査及び利用権設定等実態は握調査報告書【兵庫県宍粟郡山崎町】;集落・地区の調整機能を活用した効率的な農作業受委託,近畿農政局企画調整室,1-201
  • 武部 隆(1999):平成10年度地域農業経営改善調査及び利用権設定等実態は握調査報告書【奈良県山辺郡都祁村】;地域農業を維持・継続するための集落における取組と農作業受託組織の発展方向,近畿農政局企画調整室,1-145
  • 武部 隆(2000):平成11年度地域農業経営改善調査及び利用権設定等実態は握調査報告書【京都府相楽郡南山城村】;集落における地域農業を維持・継続するための取組状況及び農作業受託組織の育成の方向,近畿農政局企画調整室,1-192
  • 武部 隆(2001):平成12年度地域農業経営改善調査及び利用権設定等実態は握調査報告書【兵庫県篠山市】;地域農業における農作業受託組織の現状,近畿農政局生産経営部経営課,1-223
  • 武部 隆(2002):平成13年度構造改善基礎調査報告書【兵庫県赤穂市】;現下における
    土地利用型経営の規模拡大等経営展開の方向について,近畿農政局,1-85

また,いわゆる海外科研の助成金を得て,ヨーロッパに数回調査に赴き,とくにフランスおよびドイツにおける農業経営の制度,具体的には,農業経営の法律形態とそれに係わる税制や社会保障制度等の諸制度を両国の一般の経営制度のなかに位置づけ,両国の農業経営制度からわが国は何を学び取ることができるかについて,国際的な比較研究も行いました。

  • 武部 隆(1997):EC統合下の農産物流通の再編に関する実証的・政策的研究,平成8年度科学研究費補助金(国際学術研究)研究成果報告書(第I部第3章執筆,45-77)
  • 武部 隆(1998):ガット合意後の欧州連合における農業構造の再編と環境保全に関する政策的・実証的研究,平成7年度~平成9年度科学研究費補助金(国際学術研究)研究成果報告書(第1章執筆,1-95)
  • 武部 隆(1999):仏独農業の経営制度とわが国が学ぶべき点,京都産業大学・国土利用開発研究所紀要,第20号,52-78

研究2:農地問題に関する研究

農地経済学は,農地をめぐる経済現象の究明(実証的側面)とあるべき農地制度の方向の究明(規範的側面)をその任務とする学問領域であるとする立場から,「農地利用主体論」の系譜を引きながら,土地利用型の農業経営を対象に,地域差を重視しつつ,主として演繹的推論を用いて,各種農業経営体の位置づけとその動向を土地経済学的に考察しています。とくに大規模借地農の成立可能性に関して,農地賃貸借が広範に普及しない経済的理由と普及のための諸方策について,『現代農地経済論』(1984年10月,ミネルヴァ書房)で体系的に明らかにしています。このような研究として,『現代農地経済論』も含めて以下のような研究があります。

  • 武部 隆(1980):農地利用権を考える,農業と経済,第46巻第10号,73-78
  • 武部 隆(1980):農用地利用増進事業の現状と問題点,農林業問題研究,第16巻第4号,24-32
  • 武部 隆(1981):土地利用の法的規制の現状と問題点,農業と経済,第47巻第7号,34-40
  • 武部 隆(1983):農地賃貸借と水田転作組織―農地賃貸借市場の性格の相違をめぐって―,農業法研究,第18号,108-119
  • 武部 隆(1983):借地農と農地利用権,農業計算学研究,第16号,78-86
  • 武部 隆(1984):農地流動の経済学,コメの経済学(山田・桜井共編著,富民協会),245-262
  • 武部 隆(1984):現代農地経済論,ミネルヴァ書房,1-206

『現代農地経済論』出版後,農地問題は,土地問題一般のなかで,また,経営形態問題や労働力問題それに資本問題など農業構造問題全般のなかで捉えることが大切であるという認識のもと,農地政策の役割と役割達成のための具体的諸施策について体系的な考察を加え,現下の農地政策が直面する諸課題と今後の農地政策の方向について,積極的な政策提言を行っています。

  • 武部 隆(1985):農地流動の動向分析に思う,農業と経済別冊・農業白書の徹底分析,76-82
  • 武部 隆(1987):最近の土地政策論,農業と経済緊急臨時増刊・現代の土地・地価・農地問題,117-123
  • 武部 隆(1988):流動的農地市場に支えられた稲作,アメリカ米産業の素顔(亀谷きよし編著,富民協会),90-108
  • 武部 隆(1990):日本の土地問題と農業,日本農業の課題と展望(山本 修編,家の光協会),63-80
  • 武部 隆(1991):農地制度と稲作農業構造,米産業の国際比較(亀谷きよし・堀田忠夫編著,養賢堂),115-140
  • 武部 隆(1991):農地流動化と農地制度,農業と経済,第57巻第9号,84-94
  • 武部 隆(1996):近年におけるわが国農業地域の地域的差異の推移とその要因,京都大学生物資源経済研究,第2号,55-76

なお,海外科研その他の助成金を得て,アメリカにも数回調査に出向き,アメリカの農地市場と農業経営者との関連に関して,農業経営者の不足払い制度への対応,農地管理会社の内実,家族経営の制度と実態,流動的農地市場と農業経営者等について,実態調査に基づく綿密な考察を行いました。

  • 武部 隆(1990):国際的視点よりみた日本の水田利用及び米の生産・流通・政策の将来方向に関する研究,平成元年度科学研究費補助金(総合研究A)研究成果報告書(第4章執筆,35-45)
  • Takashi Takebe(1990):The Farmland Institution and the Structure of Rice Farming, An International Comparative Study of Rice Economy and Policy among the United States,Thailand and Japan, A Final Report of an Inter- national Scientific Research Program of Ministry of Education,Science and Culture,Japan, March 1990, 67-89.
  • 武部 隆(1998):農業の開発・発展と高度情報化に関する社会経済的研究,平成6年度科学研究費補助金(一般研究B)研究成果報告書 (第5章執筆,84-103)
  • 武部 隆(1998):農業の開発・発展と高度情報化に関する社会経済的国際比較研究,平成7年度科学研究費補助金(国際学術研究)研究成果報告書(第10章執筆,179-208)

研究3:食料問題に関する研究

食料問題・食料政策に関しては,コメ,牛肉,豚肉,鶏卵,それにオレンジなどを対象に,それぞれ計量的な需要・供給モデルを構築し,自由化が国内の生産者ならびに消費者に与える影響や,また,生産政策・価格政策・流通政策などにおける諸制度の改変が,生産者ならびに消費者にもたらす影響について,数量的・計数的な考察を加えています。

  • 武部 隆(1974):ベイジアン決定理論モデルと計量経済モデルの結合―肉豚出荷時期決定に対する適用―,農業経済研究,第46巻第1号,10-18
  • 武部 隆(1977):価格発見過程モデルによる鶏卵の市場隔離経済効果の計測,農業計算学研究,第10号,75-86
  • 武部 隆(1978):鶏卵市場隔離の価格効果の計測―鶏卵生産者の対応を考慮した場合―,農業計算学研究,第11号, 76-86
  • 武部 隆(1979):卵の需給と卵価政策―卵価政策の展開を中心に―,農業と経済,第45巻第9号,32-39
  • 武部 隆(1979):日別卵価形成モデルの提示,農業計算学研究,第12号,52-62
  • 武部 隆(1980):鶏卵価格支持の価格支持効果について,農業計算学研究,第13号,94-101
    藤谷築次・-武部 隆(1983):オレンジ自由化の衝撃は大きい,エコノミスト,第61巻第3号,40-47
  • 武部 隆・小田滋晃(1983):オレンジの輸入自由化と国内柑橘農業の衰退,農林業問題研究,第19巻第1号,11-18
  • 武部 隆(1983):オレンジ自由化と柑橘農業の衰退―維持したいいまの柑橘消費水準―,農業協同組合,第29巻第3号,49-58
  • 武部 隆(1988):開放体制と日本農業―コメの国内自由化の影響と牛肉の輸入自由化の影響―,農業と経済,第54巻第6号,15-23
  • 武部 隆(1988):米の国内自由化モデルの提示,農業計算学研究,第21号,43-54
  • 武部 隆(1991):農業の資源配分と市場メカニズム,農業と経済,第57巻第3号,65-74
  • Yoshino, A., H. Takeshita and T. Takebe(2006):"Difficulty in Restoring Public Confidence in Risk Communication ―Japan's experiences of BSE―,"The Proceedings of the 3rd World Congress of Environmental and Resource Economists

なお,調査研究報告としては,次のものがあります。

  • 武部 隆(1978):採卵鶏飼養経営の発展と生産・流通施設,研究と教育の概要,京大農学部農業経営学研究室,昭和52年度,122-131
  • 武部 隆(2006):消費者の食品安全に関する需要分析,平成17年度・先端技術を活用した農林水産研究高度化事業委託事業(リスク管理型)「BSEに係るリスク管理の経済評価と最適化に関する研究」中間報告書(「はじめに」「序章」執筆,1-3)

研究4:環境問題に関する研究

環境問題と環境政策に関しては,都市域における農業・農地についての評価問題を始め,環境保全型農業に関する検討,GIS(地理情報システム)を用いた中山間地域等直接支払いに関する検討などを行い,農業が環境に及ぼす影響と環境が農業に及ぼす影響について考察を進めています。また,環境ガバナンスを,持続可能な社会(持続的な発展を可能にする経済社会)の達成に向け,多様な環境財を利用・保全・管理するための経済社会の構築を指していう概念であると捉え,その研究方法として,(1)契約論的な視点に立った環境ガバナンス(環境コントラクトガバナンス),(2)社会関係資本(SC:Social Capital)の視点に立った環境ガバナンス(環境アソシエートガバナンス),(3)リスク分析の視点に立った環境ガバナンス(環境リスクガバナンス),それに,(4)環境効率性の視点に立った環境ガバナンス(環境エフィシェンシーガバナンス)を考えています。そして,それぞれを独立に,また関連づけながら総合的に考察することにより,環境ガバナンス研究を進めています。

  • 武部 隆(1990):都市住民の農業・農地に対する評価と期待―高槻市民を例にとって―,農業計算学研究,第23号,65-78
  • 武部 隆(1991):農業の地力維持と地下水汚染の防止―その基本的な考え方―,農業計算学研究,第24号,125-132
  • 武部 隆(1996):環境保全と農業の地力維持,環境保全型農業論(桜井倬治編,農林統計協会),123-134
  • Takashi Takebe(1998):Geographic Information Systems and Environmental Problems, The Natural Resource Economic Review, Kyoto University, No4, December 1998,69-85
  • 藤田晴啓・-武部 隆他(2001):農業分野でのGIS開発と空間データ共用に向けて,システム農学,第17巻第1号,59-66
  • 藤田晴啓・上野健太・-武部 隆(2003):中山間地域等直接支払い支援システムの開発,地理情報システム学会講演論文集,Vol.12/2003,407-410
  • 武部 隆(2004):環境ガバナンスと公益法人改革,京都大学生物資源経済研究,第10号,15-27
  • 武部 隆(2005):環境ガバナンスとリスク分析,京都大学生物資源経済研究,第11号,101-115
  • Takashi Takebe(2006):An Attempt at Integrated Environmental Governance, The Natural Resource Economic Review, Kyoto University, No.12, 1-15

なお,調査研究報告としては,次のものがあります。

  • 武部 隆(2002):GISによる地域営農支援システムの構築,平成11年度~平成13年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(2))研究成果報告書(第2章・第5章執筆,37-50,91-100)
  • 武部 隆(2004):多自然居住地域における循環型資源管理システムの構築,平成15年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(2))研究成果中間報告書(「環境ガバナンスと最近の公益法人論議」執筆,49-60)
  • 武部 隆(2005):多自然居住地域における循環型資源管理システムの構築,平成16年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(2))研究成果中間報告書第2報(「環境ガバナンスとリスク分析」執筆,28-40)
  • 武部 隆(2006):多自然居住地域における循環型資源管理システムの構築,平成15年度~17年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(2))研究成果報告書(「環境ガバナンス研究の方法―リスク分析とSC分析―」執筆,208-230)
  • 武部 隆(2007):環境ガバナンスにおける合意形成と利害調整プロセス,平成15年度~18年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(2))研究成果報告書(「環境ガバナンスの分析視角」執筆,23-38)

最近,取り組み始めた研究

近年,福祉向上・社会教育充実・環境改善・人権擁護等のような社会的課題の解決に,非営利組織の活動ならびにそれら組織のネットワーク的な活動が,有効に機能するのではないかという期待が高まっています。非営利組織の活動とそれら組織のネットワーク的な活動が,農業・農村分野における社会的課題の解決に向け,有効に機能するのではないかという観点に立ったとき,そこにいう社会的課題とは何でしようか。われわれは,(1)農業の担い手問題,(2)耕作放棄地問題,(3)野生獣害問題,それに農業・農村の (4)環境問題の四つが,その主要な社会的課題であると考えます。このような考え方を図で示しますと,下図のようになります。

このような考えを推し進めることが,なかなか前途を見出せないでいる日本の農業・農村において,新しい未来を拓いていく一つの方向となりうるかどうか,その可能性について明らかにしようと考えています。

  • 武部 隆(2006):公益法人改革と日本農業,地域農業経営戦略研究会・地域農業マネジメント,第4号,1-7

社会活動

農業団体と連携して研究を進めています。また,現場から突きつけられる重要な問題に取り組み,研究成果を還元することを通して,社会との接点をつねに保つように心がけています。

研究1(農業担い手問題に関する研究)に関係するもの

  • 武部 隆(1972):金津町丘陵地域の農業経営分析,京都大学農学部農業経営学・計算学研究室(第2章第2節第3項・第2章第3節第2項・第3章第3節第3項・第3章第5節執筆,54-56,60-62,99-103,105-109)
  • 武部 隆(1976):稲作プラント化の経営経済的研究,農業開発研修センター(第1章・第5章執筆,1-3,74-76)
  • 武部 隆(1977):農業の機械化と農業経営の発展,農業開発研修センター(第1章執筆,1-16)
  • 武部 隆(1979):農業の機械化と農業経営の発展―第2報―,農業開発研修センター(第1章執筆,1-16)
  • 武部 隆(1979):農業の機械化と農業経営の発展―第3報―,農業開発研修センター(第2章執筆,18-32)
  • 武部 隆(1982):水田転作の定着条件,全農水田総合利用対策室(第3章第2節執筆,111-132)
  • 武部 隆(1985):「築北農協地域開発長期構想」策定支援診断基礎調査報告書,農業開発研修センター(第I部第3章・第II部第1章執筆,52-64,71-79)
  • 武部 隆(1986):東知多農協総合診断調査報告書,農業開発研修センター(第1章・第4章第3節執筆,8-55,250-252)
  • 武部 隆(1989):新交通体系下における産地育成調査結果,徳島県(第4章・第12章執筆,143-167,491-512)

研究2(農地問題に関する研究)に関係するもの

  • 武部 隆・矢尾田清幸(2002):平成13年度 GIS整備・普及支援モデル事業に関する調査(大阪府地区)―実験参加者からの最終報告書,―国土交通省・国土計画局(No.7「農業センサス活用のための基盤データ利用の課題と検討」執筆,58-63)
  • 武部 隆(2006):農地地図情報システム導入・利活用マニュアル,長野県農業会議(「三ヶ日町農業協同組合」「豊橋市農業委員会」「いなべ市農業委員会」執筆,30-42)

研究3(食料問題に関する研究)に関係するもの

  • 武部 隆(1976):鶏卵市場隔離の経済効果に関する調査研究報告書,畜産振興事業団・全国鶏卵価格安定基金・全国液卵公社(第3章第4節執筆,111-153)
  • 武部 隆(1977):鶏卵の需給構造に関する調査研究報告書(I)―鶏卵の供給構造―,全国鶏卵価格安定基金(第4章執筆,103-135)
  • 武部 隆(1978):鶏卵の需給構造に関する調査研究報告書(II),全国鶏卵価格安定基金(第4章執筆,73-116)
  • 武部 隆(1980):わが国採卵養鶏の立地移動および経営規模・経営組織の構造的変化に関する調査研究,農業開発研修センター(第2章第2節執筆,12-21)
  • 武部 隆(1980):鶏卵の需給構造に関する調査研究報告書(III,IV),全国鶏卵価格安定基金(第III部第3章・第III部第4章執筆,35-57)
  • 武部 隆(1982):オレンジ及び同果汁の輸入枠拡大・自由化が国内柑橘農業に及ぼす影響についての計量的研究,愛媛県青果農業協同組合連合会(第4章執筆,113-266)
  • 武部 隆(1985):「果樹農業の中長期振興指針」調査研究報告書,日本園芸農業協同組合連合会(第3章執筆,190-215)
  • 武部 隆(1987):長野県野菜生産構造調査報告書―21世紀の長野県野菜農業確立にむけて―,長野県経済事業農業協同組合連合会・長野県野菜生産安定基金(第1章執筆,3-35)
  • 武部 隆(1988):大中の湖農協長期営農構想支援調査研究報告書,長期営農構想研究会(第2章執筆,24-76)

研究4(環境問題に関する研究)に関係するもの

  • 武部 隆(1979):都市化の農業に及ぼす影響と農村開発計画,京都大学農学部農経教室都市化・農業発展・農村計画研究会(第6章執筆,148-160)
  • 武部 隆(1990):高槻市農業の将来方向に関する調査研究報告書,高槻市農業将来構想研究会(序章・第1章・第3章・結章・資料執筆,1-4,5-24,35-75,133-145,147-358)